生き物相手だから手を抜くわけにはいかない

民家街を抜けていくと昔ながらの牛舎が見えてくる。
「親がやっていたから自然と跡を継いだ。」
そう語るの牧場主の精悍な顔には笑顔がこぼれる。
もともとは、豚も山羊も和牛も飼育していたが、次第に乳牛にシフトしていったそうだ。
「迷いはなかったね。」
高校を卒業して、そのまま家業に就いた。
そこから40年、とても還暦間近には見えない底抜けに明るい表情が人柄を物語っている。

農場の特徴やこだわりについて
「良質の牛乳を出してもらうこと。だから餌の質にこだわっている。やっぱり体調管理だね生き物だから、乳量を求めすぎると牛の消耗が激しくなるから。そこの見極めが大事だね。」。

大変だったことは?
「やっぱり自分の体調が悪い時だね。どんなに体調が悪くても生き物相手だから手を抜くわけにはいかないから。」
「それと冠婚葬祭。親戚は(家業を)わかっているから『ああいいよ。』といってくれたけどね。」
「あとは子供。学校行事とか行ったことないね。僕が家にいると娘の友達に『○○お父さんいるんだね。』って(笑)

楽しいこと、嬉しいことは?
「子牛が産まれたときさ。可愛いからね。」
そう話す高安さんのほころんだ顔は、親の顔そのもの。
優しさがにじみ出ている。

今後の目標について
「酪農は僕の代で終わりだと思う。農業全体の問題だと思うけど後継ぎいないからね。それに排せつ物などの問題で畜産がやりにくくなってきている。ただ、僕らが辞めたら牛乳飲む人が困るからね。少しでも長く頑張るよ!」

消費者の皆さんへ
「宮平の低温殺菌牛乳は噛むように飲んでください。口の中で味わいながら飲むと本当においしい。あと冬場はホットミルクをのむと体が温まるよ。」

宮平乳業へ一言
「少し体が閉まったな(笑)僕らも頑張って生産するから、宮平もメーカーとして頑張って販売してください!」